見せかけロマンチック




「…やっぱ、デカイなこの家……」

「あーまあ無駄にね。父さん社長だから」


初めて来たわけじゃないのに未だに見慣れない。
だってこの家だけ大きすぎるんだもん。


「入って」

「お邪魔しまーす」


鞄から鍵を取りだして門と玄関を開ける知世に、私も続いて入って。

家の中をじっくり見ながら歩くと、見覚えのあるリビングに着いた。


「ソファ座っていいから、家みたいに楽にしてて」

「じゃ遠慮なく」

「…初手でソファに寝っ転がる奴あんまいねえだろ」

「知世だっていつもうちではこんな感じじゃん」

「そこまでじゃねえよ」


知世にとって私の家は実家のようなものなんだろう。
なら私もそうでしょ…!なんて思いながら、寝心地の良さそうなソファに軽く寝っ転がってみる。

うわ、ふっかふか!なにこれ寝れる……!!


「飲み物なにがいい?」

「なんでも」

「あ、でも麗はいつも水だっけ?」

「うん。美容のためにね」