見せかけロマンチック




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あっという間に放課後。

ザーザーと止む気配のない雨の中、私の家の前に着いてお兄ちゃんを見る。


「気をつけてね。帰る時は一言連絡してね」

「うん!お兄ちゃんバイト頑張って」

「ありがとう。……知世、大丈夫なの?」

「ああ、親今日帰り遅いから鉢合わせないと思う」

「…そう」


知世の方を心配そうに見るお兄ちゃんに、知世は大丈夫だと言って返して。
その返事を聞いて、まだ不安そうにお兄ちゃんは頷いた。

…親か。
触れられたくない話題だと察して、気をつけようと心に刻む。

そのままお兄ちゃんは家に入って行って、私と知世はそれぞれ傘を差したまま歩き出した。


「…ねえ、私わがままだった?平気?迷惑だったら…」

「いいよ。麗なら」

「……っ、そっか」


お兄ちゃんの表情的に、私よくないことしてるんじゃないかって思ってそう聞いてしまう。