それから期末テスト期間を挟んで七月に入った。


「…ねえ知世」

「なに?」

「知世ん家連れてってよ」

「…は?」


梅雨のせいか雨がザーザーと降っていて。
昼休み、二人で空き教室に入って話していた。

お兄ちゃんとなずと他の空き教室で食べてたんだけど、飲み物を買いに行くって言って二人で出てきたのだ。

飲み物買ってすぐに教室に戻るより、少し時間潰してから教室戻ろうという流れになる。

なんでかって?そんなの、お兄ちゃんとなずを二人にするために決まってるじゃない。


そして今、私は知世にそう言った。

知世は私の発言が予想外だったのかポカーンとしていて。


「なんで急に?」

「…いつも私ん家だし?たまにはいいかなって」

「前来ただろ」

「行ったけど、あん時は看病じゃん」


まあ、元々知世がうちに来る理由ってお兄ちゃんなんだろうけど。
でも最近は、お兄ちゃんがバイトあっても家来てくれるし。