見せかけロマンチック




だからってまだ自分を好きになれるわけじゃないけど。


「…私、自分のこと愛したいなあ」

「…ああ」

「自分の嫌いな所も愛せる強さを手に入れたい」


これが、次私が手に入れたい目標。

裕貴くんに告白された時決めたんだ。向き合って強くなるって。


「…大丈夫、別に麗が自分を愛せなくても、俺が──…」

「ただいま…って、あれ?どうした?」

「…っうわあ!?お兄ちゃん……!?」


知世がなにか言おうとした時、ガチャっとリビングのドアが開いて。

驚いてクッションから顔を上げる。
知世も驚いたのか私の頭から手を離した。


「早かったね……!?」

「うん、委員会すぐ終わった。二人に追いつけそうだったんだけど、なずなちゃん家まで送ってきたから」

「え、なずと帰って来たの……!?」

「うん。……っえ、うら、泣いてた?目が…」


お兄ちゃんはそう話しながら私たちの所に近づいてきて。