そう一人で完結して「行こ」と知世に言おうと口を開いた瞬間。
「あんなに可愛かったら全部手に入れられてそうだよね」
ドシッと重りが乗ったかのように身体が重くなって、ドクンと大きく心臓が鳴った。
……全部?
なんでも、手に入れられてそう……?
心に穴が空くような感覚に、放心状態になる。
知世の方も上手く見られない。
「…麗」
「…私、なんでも手に入れられてるように見えるかな」
わかってる。みんなが言う、全部手に入れられてそうなのは、本当の私じゃなくて偽物の私……天使様だ。
そう、わかってるのに。傷つくところじゃないのに。
今の私は、弱りすぎてるのだろうか。
だって本当の私は……顔だけで、それ以外はなんにも手に入れられない。
ポロッと口から出た言葉に、知世がピタッと固まったのがわかった。
努力しても努力しても、私の性格は変わらなかった。
天使様で偽ることしかできなかった。
私は、完璧を求め続けたけど。
完璧は手に入らなかった。
見たくなかった自分の暗い一面が、ぶわっと溢れ出して。
黒いモヤモヤが私の心を覆う。

