「そうだったの!?全然気づけなかった」
「私も気づかなかったよ。知世くんが気づいてくれて」
「…そう、なんだ。そっか、だから波澄先輩が麗ちゃんの荷物……」
「え?荷物?」
「あ、うん。昼休みに波澄先輩が来て、麗ちゃんの荷物持ってったんだよ」
知世が荷物持ってきてくれたんだ……。
保健室のベッドでお母さんが迎えに来るまで強制的に寝させられてたから知らなかった。
知世が教室まで来るなんて、超騒がれただろうな。
なんて思いながらも嬉しくなってしまう。
「……麗ちゃん」
「どうかした?」
そんな私の表情を見て、裕貴くんはどこか切なそうな顔を向けてきて。
どうしたんだろ……?と思いながら首を傾げる。
すると、裕貴くんは眉を下げて笑顔を浮かべた。
「今日、昼休み少し時間ある?」
「え?」
「話したいことがあるんだ」
「…うん、わかった」

