「おはよう。体調治った?」
「完全復活!」
「思ったより元気そうだな」
お兄ちゃんと玄関に向かうと、知世がそう聞いてきて。
全然平気!とグッドサインをして笑うと、知世もホッとしたように笑った。
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朝、教室に入るとクラスメイトがバッと私を見て。
「天使様だ!風邪だったのかな?」という私に向けた声でザワザワと溢れた。
そのまま自分の席に向かうと。
「麗ちゃんおはよう」
「あ、おはよう裕貴くん」
隣の席に座る裕貴くんが私に声をかけてきて。
私も笑って挨拶を返す。
「大丈夫?風邪?金曜日いつの間にか帰っちゃってたから」
「そう、熱出ちゃってて。もう大丈夫だよ」
心配そうに私を見る裕貴くん。
あの日昼休みに帰ったから、裕貴くんに何も言えなかったし。

