見せかけロマンチック




そのままグイッとなずが引き上げられると、勢い余ってお兄ちゃんにダイブしてしまって。

お兄ちゃんとの至近距離に、なずが顔を真っ赤にした。


「…っ、わ!す、すみませ……!」

「ご、ごめんね、大丈夫?勢いつけすぎちゃった」

「だ、大丈夫です…!」

「次はもっと上手くやるね」


少し慌てながらも笑うお兄ちゃんに、もはや私達もキュンとしてしまう。

しかも、『次は』だって…!次も一緒にここで食べれるってことだよね!


なんて思いながら、知世と顔を合わせてニヤニヤ笑う。
やっぱ知世もなずの想いに気づいてんだな。
…わ、私は気づかれてないよね……?


そう思いながらも、落ちない場所に移動しようとすると、また足元がふらついて知世の方に傾いてしまう。


「っおい、どうした」

「わかんない、どうしたんだろ」

「ここで落ちたらシャレんなんねーぞ」

「縁起でもないこと言うなよ」