見せかけロマンチック




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入学式が終了し、新入生達が外に出る。

外には新入生の他に、保護者の姿や帰っていく二三年生の姿もあった。


入学式と書かれた看板の前で親子で写真を撮る人、保護者と合流して帰っていく人、同じ中学だったメンツで集まる人。

たくさんの人達が集まる中、私、天羽麗はお母さんを探しながら外を歩いていた。


私の姿を視界に捉えた周りの人達は、私を見てザワザワと話をしている。


「あの子だよね?新入生代表の子…!」

「めっちゃ可愛い……近くで見ても美人すぎるでしょ」

「確か名前も可愛いかったよね」

「新入生代表ってことはめっちゃ頭いいってことじゃん…!」


そんな声が耳に入るけど、聞こえていないふりをしてキョロキョロと目線を動かす。

お母さん、どこにいるんだろう。

なんて思っていると。


「うーらら!」

「…!なず」