見せかけロマンチック




「ぶは…っ!出たよ、うぎゃ!」

「っな」


楽しそうに吹き出して笑い始めて、かああっと顔が熱くなる。

前に私が『うぎゃ!』って言ったのがよっぽどツボだったみたい。

もう……!と怒りながらも、知世のこの笑顔が好きな私は内心嬉しくてたまらない。


すると、お兄ちゃんがヒョイっと登ってきて。

お……?ということは……?

と私と知世は下を見る。


「なずなちゃん、来れる?」

「っちょ、まって、これどうやって登るんです……!?」


どこから登るんだ!?と困惑するなずに、お兄ちゃんが声をかけている。

お兄ちゃんその調子で!グイッと!


「引き上げるから手掴める?」

「あ、はい……!」


そう言って手を伸ばしたお兄ちゃんの手をなずが握って。

やはり紳士なお兄ちゃんは「せーの!」と分かりやすく声掛けをした。