見せかけロマンチック




知世とお兄ちゃんなら、背が高いから軽々しく登れるんだろうけど。


そう思って、手を貸すように言うと、知世は私のお弁当を取って慣れたように塔屋の上に昇った。

登るのはっや!と思って上を見上げると、知世はうえから顔を出して。

こんな画角の知世なんて見られることないから、少しドキッとしてしまう。


「そこに足引っ掛けて」

「ここ?…っ、こっわ」

「手掴まって」


知世の言う通り片足引っ掛けるけど、その後が怖くてどうすればいいか分からなくなってしまう。

すると、知世が上から手を伸ばしてきて。
私はそれに手を伸ばしてギュッと強く握った。


「行くぞ?」

「え……っ、うぎゃ!!」


行くぞってなに、と思ったのもつかの間、力強くグイッと腕を引っ張られて。
あっという間に塔屋の上に登っていた。

…っ、力強いな!?


そう思って知世を見ると。