見せかけロマンチック




そう思いながら教材を置くと。


「麗ちゃんって好きで委員長になったの?」


と質問されて、思わず顔を歪めてしまう。


「んなわけ。楽なやつ狙ってたよ」


私は好き好んで委員長になるような性格してないし。

私の素を見ればそれは一目瞭然だろう。だから聞いてきたのか。


「じゃあなんでなったの?」

「みんなの知ってる天使様は優しいから。断れるわけない」


裕貴くんの疑問に、素直に答える。

まあそうだよね、当然その疑問は浮かぶわ。


すると、裕貴くんは一瞬黙って少し眉を寄せた。


「…それは、麗ちゃんは優しくないって言ってるの?」

「……え」


裕貴くんの言葉の意味を理解して、ピタッと身体をとめてしまう。

『みんなの知ってる天使様は優しいから』
『麗ちゃんは優しくないって言ってるの?』


自分の何気なく返した言葉の裏に、そんな意味があるなんて考えたことなかった。