それから三日後の金曜日。
「うわっ、今日も可愛い私」
「うん可愛いね。髪巻いたの?」
「うわっ!びっくりした…!」
コテを置いて鏡の前の自分に見惚れていると、タイミング良くお兄ちゃんが洗面所に入ってきて。
この短時間でうわって二回言っちゃったよ。
「そう巻いたの。可愛いでしょ!」
「うん可愛い。最強だよ」
「お兄ちゃんも最強にかっこいいよ」
「ありがとう」
お兄ちゃん、私の扱いをよくわかっている。
今日もかっこいいお兄ちゃんは歯磨きをしながら身だしなみを整えていて。
私も隣で更に髪の毛を調整する。
「なんかうら、今日いつもより張り切ってる?」
「っえ、そう?」
「うん。普段巻いたりしないからそう思うだけかも」
「そ、そうだよ!巻いてみたから!ね!」
お兄ちゃんの言葉にギクッとして、焦って誤魔化す。
そのまま逃げるように私はそそくさと洗面所を出た。

