知世について詳しいわけではないけど、知世のこの焦りようを見てそう察する。
私は安心させるように笑って、知世を見つめた。
「…風邪引いた時とか、俺、いつも一人で過ごしてたから」
「うん」
「…なんか、今、変で」
「うん」
「おかゆ作ってもらったのも、新鮮で、」
「…うん」
「…帰らないで、麗」
熱のせいもあると思う。寝ぼけてるせいもあると思う。
でもこんなに弱る知世に胸がズキっと痛んで、知世の手をギュッと握った。
……知世は、なにを抱えているんだろう。
「…大丈夫、いるよ。一人じゃないから」
「……うん」
私は、絶対知世の味方だから。
その気持ちを込めて笑うと、知世は一瞬目を見開いて優しく笑った。
その後、私は知世と一緒に座ったまま寝ちゃって。
バイト終わりのお兄ちゃんが心配して私を迎えに来てくれた。
…知世のことが知りたい。
だからまずは、私のこと好きになって貰えるように頑張るんだ……!

