見せかけロマンチック




あれから着替えて洗面所に立つ。

日焼け止めを塗って、自然な感じにまつ毛を上げて、リップで唇に血色をつける。

それからストレートアイロンを髪の毛全体に通して、前髪を綺麗に整える。


「歯磨きしていい?」

「うん、いいよ」


鏡に映る自分に集中していると、ふと後ろからお兄ちゃんが映って。
私は横にずれてお兄ちゃんのスペースを作る。

何度も前髪にクシを通して、納得のいく形を作ったら、固まりすぎないように軽くスプレーをかけた。


うん、さすが私。今日も可愛い!

鏡に移る自分を見てそう思いながら、最終調整をして完璧な私になった。

洗面所を出てスクールバッグ、いわゆるスクバに必要な物を入れていく。


「うら、知世来たよ」

「今行くー!」


私の名前を呼ぶ声が聞こえて、スクバを手に持って玄関に向かった。


「おはよう麗」

「おはよう知世!」


既に玄関でお兄ちゃんと喋ってた知世は、来た来たとでも言うように右手を上げた。