見せかけロマンチック




そう思って、心の準備をしてからピンポーンと門にあるインターホンを押した。


『…はい』

「…っ、あの、知世……?」

『っは、え、麗……っ!?っ、いって!!』


インターホン越しに聞こえた知世の声に、名前を呼ぶと。

私に気づいた知世は動揺したような声を出した。
何かにぶつかったのかガターン!と音が鳴り、動揺が伝わってくる。


『なんで…っ、いや、ちょっと待ってろ』

「あ、うん…」


インターホンから声が聞こえなくなって、私は家の前で待つ。

するとすぐに、ドタドタと音が聞こえてきて、ガチャッとドアが開いた。

緩くスウェットを着た知世が、雨の中家から出て門までやってきて。


「お前、なんで……っ、うおっ」

「ちょ、危な…!フラフラじゃん……!てか雨に濡れんなよ悪化するから!」


門越しに倒れてきて急いで手を出して支える。

知世も入るように傘を差すと、バランスを整えた知世は私に向き直って。