知世のことが好きなのか。それはわからない。
でも……目の前の裕貴くんの気持ちと向き合おうと思えば思うほど、知世がずっと私の頭の中に居座るんだ。
それからずっとどこか上の空のまま、知世からの連絡がないかチラチラスマホの通知を見ていた。
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「…また雨降ってきたね」
「梅雨入っちゃったか」
「傘持ってきて正解だったね」
帰り、お兄ちゃんと外を見てため息をつく。
朝予報を見たおかげで濡れずに済むけど。
「今日王子様いないのまじ寂しかったー…!!」
「ほんとそれ!悠様一人だったじゃん!やっぱあそこは二人セットで推せるよね!」
「噂をすれば天羽兄妹だよ。こんな雨なのに輝いてる」
お兄ちゃんと傘を差して外を出ようと歩き始めた時、近くにいた女の子達からそんな声が聞こえる。
……やっぱり、みんな知世がいないと寂しいんだ。
なんでか複雑な気持ちになって、ふぅと息を吐いた。

