見せかけロマンチック




なんだか気持ちが落ち着かなくて、ご飯を食べる手を止めてしまう。

……大丈夫、かな……。



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あれからお兄ちゃんと二人で登校して、何時間も授業を受けるけど。
時計と窓の外を交互に見ながらソワソワしてしまう。


「麗ちゃんどうかしたの?」

「……え」

「ボーっとしてるよね」


知世大丈夫かな、倒れてないかな。家に誰かいるのかな、一人だったらどうしよう。

そんな不安がグルグルと頭の中を巡って、おかげで授業も耳に入らない。


そんな私を見て心配そうに声をかけてくれる裕貴くん。


「大丈夫だよ」

「そう…?無理しないでね」


そんな優しすぎる声掛けに、ありがとうと笑ってみせる。

私じゃないんだよ。私は全然大丈夫なの。でも、知世が……。


裕貴くんの言葉は私に向けて言ってくれているもの。
それなのに、全部知世を繋げてしまって少し罪悪感が残る。

…やっぱり私、知世じゃなきゃだめなのかな。
薄々気づいていた自分のこの感情に、ギュッと胸が苦しくなる。