見せかけロマンチック




でも、走るしかないよな。

と思っていると、急に隣にいる知世が屋根から出て。

っえ!?濡れるって!


「俺近くのコンビニで傘買ってくる。ここで待ってて」

「っ、ちょ、知世くん……!!行っちゃった……」

「…俺もついて行きたいとこだけど……素直に待ってよっか」


知世のあまりにも突然な行動に私もお兄ちゃんも呆然と立つ。

雨の中走る知世の後ろ姿をボーッと眺めながら、苦笑いした。


それから数分後。


「お待たせ」

「早…!って、ビショ濡れじゃん…!大丈夫!?」


生徒がほぼ帰宅して人がいなくなった玄関に、知世がビショビショで帰ってきた。

知世の手には傘が三本ある。
一本は既に知世が差していた。


「ありがとう知世。風邪引くから早く帰ろう」

「ありがとう……」


私達に素の笑顔を見せる知世に、心臓がキュッとなって傘を開いた。



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