少し前までは兄みたいに思ってたのに、今はなんなの?
自分の気持ちが分かんなくて、一旦考えるのをやめようとすると。
「…あ、雨降ってきた」
「…え?今日雨なの?」
「うん、朝天気予報やってたよ。傘持ってきた?」
「……持ってきてない」
なずの言葉にパッと顔を上げて外を見る。
え、さっきまで晴れてたよね……!?
折りたたみ傘も持ってないし……帰りどうしようかな。
お兄ちゃんか知世が持ってるかな。
雨の音を聞きながら雨の水と一緒に自分の悩みを流して教室に入った。
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『第二校舎四階の空き教室誰も来ないよ』
『行く』
それからお昼の時間になって、知世からのメッセージを返す。
止む気配もない雨のせいで、さすがに屋上は無理だ。
「なず、別の場所で食べよ」
「いいよ。いい場所あった?」
「うん、送ってくれた」

