見せかけロマンチック




知世……?

思わずドキッと心臓が飛び跳ねてしまう。
…だって、最近知世が頭から離れてくれないから。


「…知世は、わかんない。私が知世をどう思ってるのかも、知世が私をどう思ってるのかも」

「わかんない?」

「裕貴くんの気持ちは分かるんだけど……知世は、何考えてるのかわからない。…多分、長く居すぎたんだと思う」


裕貴くんが私を好いてくれているって気づけても、知世はどうしてもわからない。

兄妹のような関係でいた時の時間が長すぎた。

なんで今、知世は私をときめかせてくるのか……。
……それとも、普段通りの知世に私が勝手にときめいてるだけなのか。

……全く読めない。


「…いっぱい悩みな。絶対いつか分かる日が来るから」

「そうだね」


私の表情を見て、困ったように笑うなずに私もぎこちなく笑い返す。

この気持ちはなんなんだろう……。