でもこないだ、お兄ちゃんにコツ教えてもらったもんねー!
そう思いお兄ちゃんをチラッと見ると、お兄ちゃんはガッツポーズをしながら私を見て面白そうに笑っていた。
……そしてあまりにも私に才能がないのか、また負けたのだった。
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「お父さんおはようー……」
「おはよう麗」
次の日、眠い目をこすりながらリビングに行くとキッチンに立っていたお父さんが私に笑いかけた。
私の家は、朝はお父さん、夜はお母さんだ。
それには理由があって、お父さんの仕事場は朝が遅くて帰りも遅い。お母さんの仕事場はその逆で、朝が早くて帰りも早い。
帰りが早いと言っても、帰ってくるのは日が沈んだ後だけど。
欠伸をしながらおかずが並ぶテーブルに着くと、お父さんは私にご飯を持ってきて。
「麗!昨日の動画見たよ。めっちゃ可愛かった、毎日見るからな!」
「えぇ、やめてよ恥ずかしいから」

