見せかけロマンチック




照れくさくて目を逸らすと、裕貴くんは目を細めて優しく笑って。

……っ、やっぱ、口説かれてるよね……っ!!


「わ、わざとだよね…?」

「うーん、わざとだけど全部本音だよ」

「…っ!」

「麗ちゃんにドキドキしてもらいたいから」


…っ、なんってことをサラッと言うの……!!

いつもの私だったら恥ずかしすぎて「うわああ!」って言ってるところだ。
でも今は、声にならない叫びをあげるしかない。


すると、一時間目のチャイムが鳴って私の心臓は助かった。


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「ねぇ、どう思う?」

「…それ絶対麗のこと好きでしょ」

「だよね……」


三時間目が終わり教室に移動しながら、私は小さい声でなずにそう問いかけた。

…私の素を知ったのに、裕貴くんはなんで好いてくれるんだろう。

普通なら、こんな女子っぽくない女子好きにならないでしょ。