球技大会から数日。


「おはよう麗ちゃん!」

「裕貴くん、おはよう」


一時間目始まる前に、今日初めて裕貴くんと挨拶を交わす。

……やっぱり、気のせいじゃないよね。


「麗ちゃん、前髪切った?可愛いね」

「っ、え、ありがとう……」


裕貴くんの距離が近くなってるの、絶対気のせいじゃないよね……っ!!

ニコッと笑ってそう言う裕貴くんに、少し動揺してしまう。

可愛いなんて言われ慣れてるのに、裕貴くんが言うとなんかドキってしてしまう。


…私に、好意持ってくれてるのだろうか。
裕貴くんの態度や距離から、そうなのかもしれないと勘づいてしまう。

…でもきっと、裕貴くんはそれも分かってて私にアタックしてくれてるんだ。


「でも麗ちゃん、なんでも似合っちゃうよね」

「っ、そ、うかな…?」

「ふふっ、うん」


なんでも似合うのは知ってる。知ってるけど……でも、なんかこそばゆい……!!