見せかけロマンチック




この状況に困って、知世がいた方をチラッと見ると。
もうそこには女の子達しかいなくて、どこ行ったの!?と心の中で叫ぶ。


「ちょっとすみません」

「…っ!?え、知世くん…!」

「探してたんだ。おいで、うらちゃん」


すると、男の人達の間に入って私の手をギュッと握ってきて。

いなくなったんじゃなくて、私の所に移動してきてたの…!?

グイッと腕を引かれて、私は男の人達の間を通り抜けて知世について行く。


ありがとう……っ!!ナイスすぎる……っ!!



知世が向かったのは体育館じゃなくて校舎の中で。
人っ子一人いない校舎に、キョロキョロしてしまう。


「ありがとう知世……!」

「ほんと目離せねえ。危なっかしい」

「いやいや、今のは私も予想してなかった」


呆れたように話す知世に、ブンブンと首を横に振る。

すると知世は疲れたように笑って、突然私の肩に頭を乗せた。


「っ、ぅお」

「はぁー…ちょっと休憩。疲れた」

「あ…バスケ?」

「違え。女子の対応」