そう複雑な気持ちをかき消すように首を振って、裕貴くんを見つめると。
っ、え!?
「っ、うおおお!!よくやった知世ー!!」
「キャアアー!!王子様が阻止したー!!」
シュートを打とうとする裕貴くんの目の前に影ができて、知世はボールがゴールに入るのを阻止した。
そのままボールを奪った知世は、どんどん人の間をすり抜けて。
二年チームが攻めに入り、私のクラスは必死に追いかけている。
…っ、なに、なんであんな上手いのあいつ。
知らなかった。全然知らなかった。
スポーツ得意なの?……ふざけんなよ、ハイスペックじゃん。
知世から目を逸らせず、じっと姿を目で追ってしまう。
スパッと知世がシュートを打って点を取り、その流れに乗って大活躍していく。
自分のクラス応援しなきゃって分かってる。
……なのに、なんで知世から目逸らせないの……っ!
知世を目で追いかけてしまうのは私だけではないはず。
…私だけでいいのに。

