見せかけロマンチック




試合が始まり、今は私のクラスが攻めに入っていて。

す、すごい……裕貴くん上手だな。
なんとか顔の熱を冷ました私は試合に集中する。

上手くパスを回してゴールに近づいて走っているのが見える。


「キャー!!この試合激アツ!!」

「王子様と裕貴くんとか、需要ありまくり!!」


見に来ている人が増えて、黄色い声で溢れている。

やっぱり、人気なんだよね……。
と、いつもなら感心する所なのに、少し複雑な気持ちになってしまう。


「そのまま決めろ裕貴!!」


裕貴くんがゴールの近くまで行ってシュートを決めようとして。
入りそう……!

それにこの場にいるみんなが息を飲んで見守る。

私もギュッと手を握った…けど。
……私、今裕貴くんを応援してるんだよね……?だから手に力が入ってるんだよね?

じゃあ、なんで…心のどこかで入らないでほしいって思っちゃうんだ。あー…ほんと私って最低だ。