見せかけロマンチック




二人が高一の時、知世は毎朝家に来てお兄ちゃんと登校していた。
そこに私も明日から加わるのだ。

正直ありがたい。二人がいれば安全だから。


「お兄ちゃんは私の事置いてかないでしょ?ね?」

「置いてかないよ。知世だったら置いてくけど」

「は?おかしいだろ」

「ぶはっ!振られたね」


キッチンで飲み物を入れてるお兄ちゃんに話を振ると、そう答えが返ってきて。
知世は目を丸くしてお兄ちゃんを見た。

それが面白くて思わず笑ってしまう。
こんな笑い方、家でしかできない。


「ゲームするか」

「勝った方はアイス奢りね」

「俺の方が強いのに?」

「今日は勝てる気がすんの」


知世はテレビの近くに置いてあるコントローラーを私に渡してきて。
テレビをつけていつも対戦して遊ぶパーティーゲームを起動させた。

事実、私はほとんど知世に勝ったことがない。
毎回毎回、今日こそは……!と思って負けるのだ。