知世が顔から手を離してくれて、深く息を吐くと。
「…麗ちゃん」
「っへ、なに……っ!?」
目の前にいる裕貴くんに名前を呼ばれて、声が裏返ってしまう。
裕貴くんの目は真剣に私を捉えていた。
「俺のことも見ててほしい」
「えっ」
「麗ちゃんに良いとこ見せたいから」
その真っ直ぐすぎる目に、心臓がドクンと動く。
これは、どういう状況なの……っ?困惑だよ…っ!
放心状態になる私を置いて、知世と裕貴くんはコートに向かってしまう。
「…なんか、大変なことになってるねえ」
「な、なず……っ、私、どうしたら……っ」
「…とりあえず顔の熱冷ましな」
そのまま立ち止まる私の元に、近くで終始見ていたような口ぶりでなずがやってきて。
頭の中が軽くパニックになってる私に、苦笑いしてきた。
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「いいぞ!!行けー!!裕貴ー!!」
「裕貴くーん!!」

