見せかけロマンチック




「なず、お兄ちゃんかっこいいね」

「っ、なんなのさっきから!」

「キュートアグレッション」

「意味わかんない!」


試合に集中できない!とでも言うように私を軽く睨んでくるなずに、思わず笑いが溢れてしまう。

お兄ちゃんが動く度に周りから歓声が上がっていて、すごすぎる…と感心してしまった。


すると、私の右隣にいる知世が私の右手の指をにぎにぎと握ってきて。

突然の行動にバッと知世を見てしまう。


「ちょ…っ!な、なに…?」

「んー?うらちゃん今日いつも以上に可愛いから触りたくなっちゃって」

「き……っ!」


反射的にきっしょ…っ!と言おうとしてしまいグッと言葉を飲み込む。


「…今日、俺の試合も見てね」

「え?うん」

「俺に釘付けになってもらわなきゃ。対戦相手、絶対負けたくないから」

「…っえ」


知世もバスケだよね?
対戦相手……誰なんだろう。

なんて思いながら、お兄ちゃんを目で追う。
でもどうしても触られてる右手が気になって集中出来なかった。