知世の顔が至近距離で私を覗き込んできて思わずびっくりしてしまう。
サラサラな髪が顔に当たりそうだ。
…っ、顔が綺麗だから、心臓うるさい……っ!!!
「なに?ドキッとしちゃった?」
「はあ!?ビビったんだよ…!!」
「でも顔赤いよ」
「っ、うるさいな早く離れて…!」
バクバクと鳴る心臓に手を当てて言うと、ケラケラ笑いながら私から顔を離した。
素の時も言葉遣いは気をつけているつもりだけど、びっくりしたりするとつい言葉遣いが悪くなってしまう。
ほんとにやめてよ…!!距離感おかしい……!!
「で、学校一緒に行くよな」
「…うん、行くけど」
「朝寝坊すんなよ、はるに置いてかれるぞ」
「置いてくのはお兄ちゃんじゃなくて知世でしょ」
「俺そんなふうに思われてんの?心外」
やれやれ、みたいなポーズをとる知世を横目で見ながら起き上がってソファに座る。

