顔が真っ赤な私を見て楽しそうにからかってくる知世。
朝からワーワー玄関で騒いでいると、お兄ちゃんが私達の所に荷物を持ってやってきて。
「…こら、知世。からかいすぎ」
「キュートアグレッション起こしちゃって」
「嬉しくねえわ!!」
苦笑いしながら知世に注意するお兄ちゃんに、ブーと口を尖らせて知世はそう言った。
キュートアグレッションは可愛いから起こる現象。
でも全然嬉しくない。
すると、知世は渋々私から離れてくれた。
ドキドキしてうるさかった心臓が少し収まってきて、ふぅと息を吐き早々に家を出た。
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「きゃーっ!!天使様かっこよすぎ…!?」
「おいおい、めっちゃ上手いな!!なんでも出来んのかよ…!!」
学校内の体育館で、バスケットボールをドリブルする音と応援の声が響き渡る。
その中心の的にいたのは、敵チームを上手くすり抜けてそのままゴールを決める私だ。

