見せかけロマンチック




裕貴くんに素がバレる事件が起きてから、テスト期間を終えて一週間が経った。


「おはよう麗。あれ、いつもと同じじゃん」

「おはよう。なにが?」

「髪。球技大会だからアレンジとかするのかと思ってた。去年女子達すごかったし」

「ふっふっふ。学校行ってのお楽しみよ!」


朝、玄関で待つ知世は私を見てそう言ってきた。

そう、今日は球技大会。
テストが終われば楽しい行事が待ってる、と思うとテストだって頑張れた。

おかげで一位キープ!球技大会めいっぱい楽しむもんねー!!


「学校行ってからすんの?楽しみだな」

「さぞ可愛い麗ちゃんが見れるはずだよ!」

「へぇ、じゃあ誰にも見せたくないかも。独り占めしていい?」

「っはい!?」


ドヤ顔で私がそう言うと、知世は意地悪く笑ってグイッと私の腰を引き寄せてきて。

…っ、なっ、んで密着してんだよ!!


「ちょ、離れて!」

「えーやだ。なんで?」

「っ、いいから、は!な!れ!ろ!」