もしかして、お兄ちゃんが言いかけてたのって……。
『きっと知世なら』、帰らないよってことだったのか?
「はるから聞いたからだよ」
「帰らなかったんだ」
「お前一人にできねえだろ。帰り一人だし、大槻くんと二人だし、危ねえだろ」
「っ、い」
え、心配してくれてたの?裕貴くんと二人が危ない、はよく分かんないけど。
なんて思った瞬間、知世は両手で私の両頬を軽くつねってきて。
いった……!?
ちょ、ちょちょちょ、なにしてくれてんの……!?
そう言いたいのに知世はどこか拗ねたような顔をするから言えなくなる。
「てかなんで俺に連絡しねえんだよ」
「だ、だって、お兄ちゃんに言ったもん…!」
「俺にも言えよ。俺と麗の仲だろ」
「何言ってんの…!?」
知世の言い方と表情に、ドキッとして少し顔が赤くなってしまう。
そんな私を見て満足そうに頬から手を離した知世。
少しだけつねられていた感覚が頬に残って。
……っ、あー!!!

