見せかけロマンチック




どこか含んだように知世を見ながら言った裕貴くんに、ついていけなくなる。

ああ…もういいや。どうにでもなれ。
そんな思考に辿り着いた私は、もう目の前の教科書に集中することにした。


「…麗ちゃん、ここ分かんないんだけど……」

「どこ?俺に見せて」

「…ここです」

「ああ、ここは……」


途中、裕貴くんが私に聞いてきたのに知世が割って入って。
なんて自由人なんだ。

そんな知世を横目で見ながら、知世は裕貴くんに素直に教えている。
段々裕貴くんの目が驚いたように開かれていって。


「…すごい。分かりやすかったです」

「そう?ならよかったわ」

「ありがとうございます」


知世が教えるの上手いだなんて、驚くよね。
裕貴くんのその気持ちに首が取れそうなほど頷きたい。

知世のこの素の感じについていけてる裕貴くんもすごいけど。


「波澄先輩は、それが素なんですか?」

「うん。そう」

「いいんですか?俺の前なのに素でいて」

「隠す必要ないだろ」