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「…てことなので、今日先に帰ってていいよ」
授業と授業の休み時間、たまたま廊下でお兄ちゃんに会ってそう話す。
裕貴くんからのお誘いは、勉強会だった。
私が勉強を教えること。それがお礼だそうだ。
放課後教室に残って勉強をするという約束をしたから、お兄ちゃんと知世とは帰れないっていう訳。
「そっか。隣の席の子だっけ?」
「そう。だから知世にも言っといてね。二人で帰ってていいよ」
「わかったけど……きっと知世なら…いや、なんでもない」
「え?」
お兄ちゃんは、あー…と苦笑いしながら何かを言いかけてやめた。
なに…?と思って聞き返そうと先にお兄ちゃんが口を開いて。
「じゃあ、気をつけて帰ってきてね。何かあったら連絡すること。いい?」
「うん、わかった」

