「朝から相変わらずだなー」と言う知世を無視して、水を取りにキッチンに行く。
…っ、あっぶな、動揺するところだった……っ!
二人からは見えない場所に来て、私は一人バクバクと動揺していた。
正直、照れてしまいそうだったのだ。
知世の言う可愛いに、ここまで振り回されるなんて自分でも思っていなかった。
ほんと調子狂う……っ!!来るなら言えよバカ!!
はぁー、と息を吐いて落ち着かせて、コップに水を入れてまたリビングに戻った。
「うらも一緒に勉強する?知世が去年の過去問持ってきてくれたよ」
「え…っ!そんなの取ってたの?優等生じゃん」
「実際優等生ですけどー。麗が使うかなって取っといたからあげるわ」
「え、神!?ありがとう!」
「じゃあうらは着替えてからおいで」
過去問……!?私そんなの取っといたことない!
知世って……ほんとにすごいんだ……なんでそんなに勉強ちゃんとしてるんだろう?面倒くさがりそうなのに。

