見せかけロマンチック




私達に聞こえないような声で言ってるつもりなのだろうか、少し声を潜めているけど。
全部聞こえていて、思わず立ち止まってしまう。


「えー!皐月も可愛いのに。天使レベルの子が近くにいたらハードル高くなるのか」

「天使様って中身も優しくて完璧なんだろ?顔は可愛いけどさあ、付き合ったら疲れそう」

「うわっ、確かに。気遣うよな」


男の人がそう言って、それにまわりも同調する。
こっちを見ながらニヤニヤして言うその目は、品定めをしているようで気持ちが悪い。

……大丈夫。こういうのも、あるから。可愛いって大変だから。


「俺天使様は抱くだけでいいや。完璧すぎても困るし、なんつーか、鑑賞用?」

「ぶはっ、お前最低」

「だって皐月の方がいいだろ。あいつノリいいし。天使様はノリ合わなそうだもんなー、顔だけ」

「キャハハ…っ!お前悪すぎ…!皐月のこと好きなん!?」


男の人の言葉に、甲高い声で笑う女の人達。