夕日が西の空をオレンジ色に染める。
吹奏楽部の練習の音が遠くから響いて来る中、私は放課後の掃除当番を終え、ごみをまとめていた。
すると教室に一人残っていた私に竜くんが駆け寄って来る。
「ねえ、朱里ちゃん、今日の放課後ヒマ? 帰り一緒に帰らない?」
「私と一緒に?」
「うん。俺、引っ越して来たばかりでしょ? だから朱里ちゃんにこの町を案内してほしいなって思って待ってたんだ。ほら、心菜ちゃんとか他の子は部活があるし」
にこっと笑う竜くん。
わざわざ待っててくれたのは嬉しいけど――二人で帰ったりなんかしたらまた変な噂を立てられちゃう。
それに、まだ凪季を狙うのが誰なのか正体がつかめていないし、またこの間みたいに襲われたら大変。
そう思って、私はせっかくだけど誘いを断ることにした。
「……ゴメン。帰りは凪季と帰ることになってるから」
私の答えを聞き、竜くんはムスッとした顔になる。
「朱里ちゃんっていつも凪季、凪季ってそればっかり! 一日ぐらいいいじゃん」
「ご……ごめん。一緒に帰らないと凪季が危ないかもしれないし――」
「危ない……?」
竜くんが目を大きく見開き、キョトンとする。
……あ、しまった。
吹奏楽部の練習の音が遠くから響いて来る中、私は放課後の掃除当番を終え、ごみをまとめていた。
すると教室に一人残っていた私に竜くんが駆け寄って来る。
「ねえ、朱里ちゃん、今日の放課後ヒマ? 帰り一緒に帰らない?」
「私と一緒に?」
「うん。俺、引っ越して来たばかりでしょ? だから朱里ちゃんにこの町を案内してほしいなって思って待ってたんだ。ほら、心菜ちゃんとか他の子は部活があるし」
にこっと笑う竜くん。
わざわざ待っててくれたのは嬉しいけど――二人で帰ったりなんかしたらまた変な噂を立てられちゃう。
それに、まだ凪季を狙うのが誰なのか正体がつかめていないし、またこの間みたいに襲われたら大変。
そう思って、私はせっかくだけど誘いを断ることにした。
「……ゴメン。帰りは凪季と帰ることになってるから」
私の答えを聞き、竜くんはムスッとした顔になる。
「朱里ちゃんっていつも凪季、凪季ってそればっかり! 一日ぐらいいいじゃん」
「ご……ごめん。一緒に帰らないと凪季が危ないかもしれないし――」
「危ない……?」
竜くんが目を大きく見開き、キョトンとする。
……あ、しまった。


