生徒会長が教室から去って行く。
「あーん、待ってぇ」
「蒼木様~」
「一緒に行きましょう!」
それと同時に、やかましかった生徒会執行部の女子たちも教室からドヤドヤと出て行った。
「心菜ちゃん、大丈夫だった?」
私は心菜ちゃんに駆け寄った。
「うん。でもすごく緊張しちゃった」
「だよね。とくにあの生徒会執行部の人たち。すごいね」
私と心菜ちゃんは顔を見合わせてうなずき合った。
心菜ちゃんによると、生徒会執行部って、元は学校の風紀を乱す人を注意する風紀委員みたいな仕事だったんだって。
それが今ではすっかり蒼木先輩のファンクラブか親衛隊みたいになってるんだとか。
「あんな人たちに目をつけられたら大変だね」
私がコソコソというと、心菜ちゃんは納得したようにうなずいた。
「うん。……でも、親衛隊になるのもなんかわかるな。蒼木先輩、間近で見たら超イケメンでびっくりしたもん」
心菜ちゃんがポッと顔を赤くする。
私はさっき見た蒼木先輩の顔を思い出した。
心菜ちゃんを見下ろした無感情な瞳に、なんだかすごくムッとしてしまう。
「確かにすごいイケメンだったけど――でも何だか冷たくなかった? 執行部の人たちが失礼なこと言っても注意もしないし」
「そう? でも女嫌いだってウワサだし、変に女の子に優しくして好きになられたら困るからそうしてるだけじゃない?」
「そうなのかな」
私はイマイチ納得できない気持ちで腕を組んだ。
まあ、確かにモテモテなのも大変なのかもしれない。
……ま、いっか。
どっちにしろ、絶対に生徒会長には近づかないようにしないと。
私は心の中で誓った。
だって私は、ごく普通に、地味で静かで目立たない学校生活を送りたいんだもん。
あんな目立つ人となんか、絶対に関わらないんだから。
「あーん、待ってぇ」
「蒼木様~」
「一緒に行きましょう!」
それと同時に、やかましかった生徒会執行部の女子たちも教室からドヤドヤと出て行った。
「心菜ちゃん、大丈夫だった?」
私は心菜ちゃんに駆け寄った。
「うん。でもすごく緊張しちゃった」
「だよね。とくにあの生徒会執行部の人たち。すごいね」
私と心菜ちゃんは顔を見合わせてうなずき合った。
心菜ちゃんによると、生徒会執行部って、元は学校の風紀を乱す人を注意する風紀委員みたいな仕事だったんだって。
それが今ではすっかり蒼木先輩のファンクラブか親衛隊みたいになってるんだとか。
「あんな人たちに目をつけられたら大変だね」
私がコソコソというと、心菜ちゃんは納得したようにうなずいた。
「うん。……でも、親衛隊になるのもなんかわかるな。蒼木先輩、間近で見たら超イケメンでびっくりしたもん」
心菜ちゃんがポッと顔を赤くする。
私はさっき見た蒼木先輩の顔を思い出した。
心菜ちゃんを見下ろした無感情な瞳に、なんだかすごくムッとしてしまう。
「確かにすごいイケメンだったけど――でも何だか冷たくなかった? 執行部の人たちが失礼なこと言っても注意もしないし」
「そう? でも女嫌いだってウワサだし、変に女の子に優しくして好きになられたら困るからそうしてるだけじゃない?」
「そうなのかな」
私はイマイチ納得できない気持ちで腕を組んだ。
まあ、確かにモテモテなのも大変なのかもしれない。
……ま、いっか。
どっちにしろ、絶対に生徒会長には近づかないようにしないと。
私は心の中で誓った。
だって私は、ごく普通に、地味で静かで目立たない学校生活を送りたいんだもん。
あんな目立つ人となんか、絶対に関わらないんだから。


