妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~

 ふう、危ない危ない。

 私のモットーは「普通に生きる」こと。

 家が変な神社をやってるとか、妖狐の子孫だとか人とは違う力のこととか。

 そんなことクラスメイトには絶対に知られたくない。

 だって、みんなと違うって恥ずかしいんだもん。

 目立ちたくない。

 みんなと違うのはイヤ。

 私は「妖怪の娘」「狐憑き」だなんて言われてからかわれた小学校時代を思い出す。

 あんな思いはもうたくさん。

 私は普通に生きるの。

 そのための努力だって、今までずっとしてきた。

 クラスの女子全員のスカートやソックスの丈を観察して、長くも短くもない絶妙な丈にしたり。

 髪の毛も、クラスの女子の中で一番多いボブヘアーにした上に、さらに長い前髪と眼鏡で顔を隠して目立たないようにしてる。

 体育の授業は目立たないように手を抜いて、テストの点数だって、わざと平均点を取るように調整してる。

 そんな努力のかいあって、私はクラスで浮くことなく絶妙な「普通の女子」として過ごしてる。

 ……今のところはだけど。