妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~

 俺が答えると、涼間はゾッと身震いするような仕草をした。

「うわあ……これ本物じゃんか」

「うるさい」
 
 俺が横を向くと、涼間はニヤニヤしながら俺の肩を抱いてきた。

「分かったよ。俺もその女の子を探すの協力する。凪季が惚れるだなんてきっとすごい美人だろうし、俺も凪季の好きな子がどんな子か興味あるからねー」

「いや……好きな人というか、ただもう一度会いたいだけで」

 俺が横を向くと、涼間が真顔で首を傾げる。

「それを世間では恋と言うんだよ」

「ま、まあ……とにかく探したいから手伝ってくれ」

 俺の言葉に、涼間がぴょんとソファーから立ち上がり、生徒会室の端でほこりをかぶっていた大きなパソコンを立ち上げた。

「しょうがないなあ。じゃあ特別に、俺の『校内美女図鑑』を使わせてあげよう」

「……なんだそれ」

 俺がびっくりして尋ねると、涼間があっけらかんとした顔で言う。

「え? 学校内の美少女をまとめたデータベースだけど?」

 こいつ、まさか生徒会室のパソコンでそんなものを作っていただなんて。