「でも、面倒なのは面倒だよ。いくら掃除しても参拝客も一人も来ないし。ネットで検索してもそんな大妖怪がここに住んでいただなんて出てこないし……意味あるの?」
疑いの目を向ける私に、お母さんは力説する。
「それは、強大な力を持つ危険な大妖怪だからヒミツにしているだけよ!」
「ふーん……」
本当かな?
そう思いつつ時計を見ると、もう家を出なくちゃいけない時間。
「いけない、もう行かなくちゃ」
私は慌ててホウキを立てかけると、神社を出た。
「行ってきまーーす!」
今日は気持ちよく晴れた秋晴れの日。
青く高い空に、爽やかな風。
ああ、気持ちいいな。
私が朝の空気を吸いこみながら歩いていると、ふとどこかから子供の泣き声が聞こえてきた。
「えーん、えーん……」
見ると、小学一年生くらいの男の子が公園の横で泣いてる。
「どうしたの?」
私が声をかけると、小学生は黙って大きなケヤキの木を指さす。
見ると、黄色い帽子が木の上のほうに引っかかってる。
もしかして、風で飛ばされたのかな?
どうしよう。あんな上の方に引っかかってるんじゃ背伸びをしても届かない。
木に登ろうにもちょうど登りやすそうな所に枝もないし……。
疑いの目を向ける私に、お母さんは力説する。
「それは、強大な力を持つ危険な大妖怪だからヒミツにしているだけよ!」
「ふーん……」
本当かな?
そう思いつつ時計を見ると、もう家を出なくちゃいけない時間。
「いけない、もう行かなくちゃ」
私は慌ててホウキを立てかけると、神社を出た。
「行ってきまーーす!」
今日は気持ちよく晴れた秋晴れの日。
青く高い空に、爽やかな風。
ああ、気持ちいいな。
私が朝の空気を吸いこみながら歩いていると、ふとどこかから子供の泣き声が聞こえてきた。
「えーん、えーん……」
見ると、小学一年生くらいの男の子が公園の横で泣いてる。
「どうしたの?」
私が声をかけると、小学生は黙って大きなケヤキの木を指さす。
見ると、黄色い帽子が木の上のほうに引っかかってる。
もしかして、風で飛ばされたのかな?
どうしよう。あんな上の方に引っかかってるんじゃ背伸びをしても届かない。
木に登ろうにもちょうど登りやすそうな所に枝もないし……。


