「…そうなんだ。友達から聞いたんだけど、ルナと太陽と流星くんは伝説のトップ3って言われてるらしいね。なんでなの?」
そう言うと、太陽はハハッと笑った。
「そこ、聞いちゃうんだ。いいよ、いいよ。話してあげる。俺はね、長年ルナへの恨みがあるんだ。俺は父子家庭で、父さんは有名な大工。小さい頃からほとんど家に帰ってこなかった。物心ついたころからは、寂しくて家で暴れまくってた」
当時を思い出すように目を細め、
「そして、6歳の頃。今でも覚えてる。入学するとき、3人だけ楽しそうに見えた家族がいた。それがルナの両親とルナ。ルナはいつも俺の先を行っていた。俺はルナの背中を追いかけるしかなかった。ケンカだって…ルナはクラスの全員を召使いみたいにあやつって…言うこと聞かないヤツはルナの標的になる。それで唯一反抗したのが俺。いつもケンカしてた。中学は俺が受験して、別々になった。中学に入学しても、ルナへの憎しみは忘れられなくて、暴力で学校中をまとめ上げた。そして、ルナの学校と敵対するようなった。流星は、1年で学校をまとめ上げ、トップに立っていた。流星は、それで有名になり、いつしか俺たちは伝説のトップ3と言われるようになった」
太陽は紅茶を飲みほすと、微笑んだ。
「流星も手強いライバルだけど、俺たちとそれほど関わっていない。だからずっと俺は…長年のライバル、ルナのことが嫌いだ」
なんだか、悲しい。
私は笑顔を浮かべて、
「ちょっとお手洗い行ってくるね」
と伝えた。