この場には、私と流星、太陽に結美さん、大地さんだけが残っていた。
大地さんは目をこれでもかってくらいに開いて、立ち尽くしている。
「…で、大地。お前、流星に言うことないのか」
「…ッ」
大地さんは奥歯を噛み締め、悔しそうに顔を歪めると、走り去ろうとした。
それを見逃さずにいた太陽が、グッと地面をける。目に追えないほどの速さで、太陽は大地さんに追いつき、首元のえりをつかんだ。
「卑怯なんだよ。負けたら走り去るとか、男らしくねぇ。負けを認めるのも男なんだよ‼︎ ちゃんと流星に言うこと言ってから行け‼︎」
大地さんは拳を握りしめ、ゆっくりとした歩みで戻ってくる。
「………悔しかったんだよ。みんながお前に、はいはい言って従うのが。お前が大っ嫌いだったんだよ‼︎‼︎‼︎」
私はムッとして止めに入ろうと思ったときだった。
太陽が、パッと手を広げた。
まるで、行くな、というように。
流星を見ると、真っ直ぐに大地さんを見つめている。
大地さんは気まずくなったのか、校門に向かって全速力で走って行ってしまった。
「…よかったの、あれで?」
私はそっと太陽に耳うちした。
「……あぁ。きっと、受け止めて、歩き出したはずだ。…流星も」
流星が振り返った。
悲しい顔をしているんだろうか、と思った予想は裏切られた。
流星は、ふっきれた様子で、涼しい顔をしていた。さわやかな笑顔で、笑っていたんだ。
無理して笑っている感じは、全然しなかった。
大地さんは目をこれでもかってくらいに開いて、立ち尽くしている。
「…で、大地。お前、流星に言うことないのか」
「…ッ」
大地さんは奥歯を噛み締め、悔しそうに顔を歪めると、走り去ろうとした。
それを見逃さずにいた太陽が、グッと地面をける。目に追えないほどの速さで、太陽は大地さんに追いつき、首元のえりをつかんだ。
「卑怯なんだよ。負けたら走り去るとか、男らしくねぇ。負けを認めるのも男なんだよ‼︎ ちゃんと流星に言うこと言ってから行け‼︎」
大地さんは拳を握りしめ、ゆっくりとした歩みで戻ってくる。
「………悔しかったんだよ。みんながお前に、はいはい言って従うのが。お前が大っ嫌いだったんだよ‼︎‼︎‼︎」
私はムッとして止めに入ろうと思ったときだった。
太陽が、パッと手を広げた。
まるで、行くな、というように。
流星を見ると、真っ直ぐに大地さんを見つめている。
大地さんは気まずくなったのか、校門に向かって全速力で走って行ってしまった。
「…よかったの、あれで?」
私はそっと太陽に耳うちした。
「……あぁ。きっと、受け止めて、歩き出したはずだ。…流星も」
流星が振り返った。
悲しい顔をしているんだろうか、と思った予想は裏切られた。
流星は、ふっきれた様子で、涼しい顔をしていた。さわやかな笑顔で、笑っていたんだ。
無理して笑っている感じは、全然しなかった。

