蜜生くん、今、私のこと好きって言った……?
今までに感じたことのないくらいバクバクと心臓が脈打つのを感じていた。
急に恥ずかしくなって、その場から逃げ出したい気持ちにおそわれるが、蜜生くんに抱えられたこの状況ではどうすることもできない。
「えっと、あの……」
真っ赤な顔でしどろもどろになる私を見つめ、フッと不適に微笑んだ蜜生くんは追い打ちをかけるように。
「好きだよ。初めて会った時からね」
と、優しく耳元で呟いた。
「……ッ」
私だって蜜生くんのこと好きだし、いつかは告白できればって思ってたけど……。
まさか蜜生くんの方から先に告白されるなんて、考えてもみなかったから、どうしていいかわからなくて、いっぱいいっぱいになってしまう。
でも、私もちゃんと伝えたい!
意を決して、私は真っ直ぐ蜜生くんの綺麗な瞳を見つめた。
そして。
「あの、蜜生くん。私も蜜生くんのこと……好き、です」
どんどん声が小さくなってしまったものの、なんとか自分の気持ちを伝えることに成功する。
自分の気持ちを口にするのは、あの日、加藤くんにフラれた日以来だ。
「……本当に?」
「う、うん」
私がコクリと頷いた瞬間、蜜生くんの顔が徐々に赤くなるのを見て、私は目をパチパチとしばたたかせる。
緊張してるのが自分だけじゃないことがわかって思わず、フフッと笑みがこぼれた。



