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山内先生ってば、数学の課題多すぎない……?
蜜生くんがパソコンのシステム管理のチェックをしている傍ら、手持ちぶさたな私は明日提出の課題に取り組んでいた。
それに結構応用問題ばっかりで、わかんないところ多いなぁ。うーん……。
現在、私は、1番苦手な数学のワークで行き詰まっている。
しばらく1人で頭を悩ませてみたが、全く解ける気がしない。
どうしたものかと考え込んでいると、ふいに。
大学まで行ってる蜜生くんにとって、中学生の問題なんて一瞬で解けるのではないだろうか……。
そんな考えが頭に浮かんだ。
「ねぇ、蜜生くん……。忙しいところ申し訳ないんだけど、数学で分からないところがあって1問教えてもらってもいいかなぁ、なんて?」
ダメもとで蜜生くんに尋ねてみると、
「……別にいいけど?どれ?」
パソコン画面から顔を上げた蜜生くんがそう声をかけてくれる。
「いいの!?ありがとう!このワークの最後の問題なんだけどね……」
「たすかった〜」と思いながら、私がパタパタと駆け足でワークを持っていこうとした、その時――。



