離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「黙れ、人間の女。ケリオンを返してもらおう。」
弓を射ったのは、
やはりと言うべきか、
ケンタウロスたちだった。
仲間を取り返しに来たのだ。
「返す?誰に命令してるの?ひざまずいて頭を垂れなさい、獣め。」
ユリアナのこの言葉はケンタウロスの逆鱗に触れた。
誇り高い聖獣である彼らは、
とてもプライドの高い生き物だ。
自分たちを神に準ずる種族だと思っているので
見下されることを何より嫌う。
「人間の分際で我らを愚弄するとは。」
言うが早いが
ケンタウロスの大群が丘を一気に駆け下りて
戦場に雪崩込む。

「今だっ!」
イグネオの合図で、
エアリアがブラウニーの入った網を風で切り刻む。
自由の身になったブラウニーは
我先にと蜘蛛の子を散らすように
森の中へと消えて行った。
ケンタウロスの大群は雪崩のように
ドラゴニア帝国軍を飲み込み、蹴散らしていく。
そしてケンタウロスたちが去ったあと、
ユリアナの姿が忽然と消えていた。
彼らに拉致されたのだろう。
皇女を失ったドラゴニア帝国軍は
大混乱に陥った。
そんなどさくさに紛れて
ライガンが逃走を図ろうとしているのを
ミレイナは見逃さなかった。
「待ちなさいよっ!」
ライガンを逃がすまいと必死に追いかける。