離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

その裏切り者のライガンが
すっと前に進み出た。
ヘルミスタ国側も魔法での攻撃を辞める。

「貴様、何の真似だ。この裏切り者っ!」
グレイムが怒声を響かせる。
父の凄まじい怒気に土の精霊ノームも呼応したのか、
地鳴りが起こった。
「少し落ち着いてください。我々もこれ以上、聖なる森を傷つけたくないんです。」
ライガンは努めて平静を装っているようだ。
声が若干震えている。

「何なの、偉そうに交渉しようってわけ?私たちは何も譲歩するつもりはないわ!」 
エアリアが凄む。
風のざわめきが大きくなり、
そこかしこでつむじ風が発生した。

「なるほど。では、この子たちがどうなっても良いんですか?」
ライガンは見せつけるように
ブラウニーたちの入った網を揺さぶる。
助けてほしいと懇願するように
ブラウニーたちは悲鳴をあげた。
「その子たちをどうするつもりなの?」
ミネアが冷静に尋ねる。
晴れ渡っていた大地にしとしとと雨が降り出した。
「ユリアナ皇女がこの子たちを大変気に入られまして、召使いとして使ってくださるそうです。あ、あと肉体労働に従事できるトロールやオークたちもご所望で。ドラゴニア帝国の望むものを引き渡してくれれば、我々は手を引きましょう。」
(人質を前に出されたらアイツラも頷くしかないだろう。ドラゴニア帝国の望む条件を認めさせて降伏に持ち込めば俺の勝ちだ!)
「さぁさぁ、早く決断してください。さっさとしないと、こうしている今もあなたたちの大切な仲間がどんどん捉えられてますよ。」

「汚ねぇ奴らだ。舐めやがって!」
イグネオの唸り声とともに、
先ほどの地鳴りで出来た大地の割れ目から
火柱が立った。