【エレオノール視点】
エドリックがドレシア公国へ赴いていた頃、
アルドヴァール大公家は
何も手を打たず右往左往していたわけではない。
エレオノール奪還に向けて、
水面下でちゃんと動いていた。
「珍しいわね。この季節にこんな嵐が来るなんて。」
船に軟禁されること、はや1週間。
自室の窓から外を眺めながら、
エレオノールは独り言を呟いた。
今日は珍しく明け方から土砂降りの雨が降り注ぎ、
海は大荒れだった。
船が揺れに揺れるので、
ひたすら船酔いとの戦いである。
エレオノールもベッドの上で
じっと横になることしかできない。
その時である。
窓の外から巨大な目玉が2つ、
じっとエレオノールを見つめているではないか。
あまりに驚いて腰を抜かしそうになった。
恐る恐る窓辺に近寄ると、
自分を見つめていたのは子どものドラゴンである。
そしてその背中に乗っている人物に見覚えがあり、
エレオノールは安心感を覚えた。
するとどこからともなく声が聞こえてきた。
(エレオノール姫、助けに来たぞ。ゆっくり話している暇はないゆえ、こちらに手を伸ばせ。話はそれからじゃ。)
この声の主もエレオノールは知っている。
エレオノールがためらうことなく手を伸ばすと、
あら不思議。
船体の壁が跡形もなく消えて、
次の瞬間にはエレオノールは
子どものドラゴンの背中に乗っていた。
エドリックがドレシア公国へ赴いていた頃、
アルドヴァール大公家は
何も手を打たず右往左往していたわけではない。
エレオノール奪還に向けて、
水面下でちゃんと動いていた。
「珍しいわね。この季節にこんな嵐が来るなんて。」
船に軟禁されること、はや1週間。
自室の窓から外を眺めながら、
エレオノールは独り言を呟いた。
今日は珍しく明け方から土砂降りの雨が降り注ぎ、
海は大荒れだった。
船が揺れに揺れるので、
ひたすら船酔いとの戦いである。
エレオノールもベッドの上で
じっと横になることしかできない。
その時である。
窓の外から巨大な目玉が2つ、
じっとエレオノールを見つめているではないか。
あまりに驚いて腰を抜かしそうになった。
恐る恐る窓辺に近寄ると、
自分を見つめていたのは子どものドラゴンである。
そしてその背中に乗っている人物に見覚えがあり、
エレオノールは安心感を覚えた。
するとどこからともなく声が聞こえてきた。
(エレオノール姫、助けに来たぞ。ゆっくり話している暇はないゆえ、こちらに手を伸ばせ。話はそれからじゃ。)
この声の主もエレオノールは知っている。
エレオノールがためらうことなく手を伸ばすと、
あら不思議。
船体の壁が跡形もなく消えて、
次の瞬間にはエレオノールは
子どものドラゴンの背中に乗っていた。



